長澤照平(しょうへい)チューバ奏者がプロを目指したきっかけは?重大な岐路とは?

長澤照平(しょうへい)さんが、リサイタルパッシオに出演された時に、ご自身のことをいろいろと語ってくださっていました。チューバとの出会い、音大への進学、プロを目指していくにあたっての悩みなどをお聴きする中で、とても好感が持てて、そして、大変興味深いお話しだったので記事にしております。

人生には、色々な分岐点がありますね。

特に、若い時、これから進路を決める時って、本当に、不安がありながらも、結局、つまるところ、自分を信じて歩いていくしかないですから、、、。

人生迷うのは当然です。年を重ねても迷い道ですよ。

これから活躍が期待される若手の音楽家の皆さんの歩みを知ることができることは、とてもワクワク、胸キュン、そんな気持ちになります。



長澤照平(しょうへい)さん:リサイタルパッシオのPRをされてました!

長澤さん、ご本人のTwitterがありました!

長澤照平さんのあだ名が気になりますね。

普段の様子が少しわかっていいですね!



長澤照平(しょうへい)さん:チューバ奏者の出身、経歴は?

長澤照平さんは、秋田県のご出身でチューバを始めたのは、13歳の時です。

東京芸術大学を卒業し、令和4年度、現在は、東京藝術大学大学院の1年生でいらっしゃいます。

年齢は、23歳か24歳のどちらかだと思います。

チューバとの出会いは姉と兄の誘いだった!

長澤さんには、お姉さんとお兄さんがいて、2人とも吹奏楽部員だったそうです。

そして、お2人から奏楽部に来るようにと勧められたそうですよ。

姉と兄に言われるがままに吹奏楽部に行った照平さん。

末っ子だったので、小さい頃から、きっと、お姉さんやお兄さんの後をついて遊んでいたのでしょうね~。

従順で可愛かったのでしょう。(*^-^*)

吹奏楽部に入部した時、テューバをやりたいと思ったの?

長澤さんは、実は、もっと目立つトランペットとかサックスとか、いわゆる花形みたいな楽器がすごくやりたかったんそうです。

しかし、体格が大きかったので、あなたはチューバだ、と言われて連れていかれてしまいました。

なるほど。

まずは、体格で選別されてしまうのですね。

自分がやってみたい楽器じゃないとテンション上がらないんじゃない?とおもいきや、長澤さんは、実際に初めて合奏でチューバを吹いた時に、自分が吹いた音に合わせてみんなが吹いているというか、ベースありきで曲が進んでいくっていう、みんなのことを操ってるぞ!っていう感覚がすごく楽しくて、そこでちょっと、とりこになってしまったかな、と語って見えました。

おぉ!良かったです!

これが、ベースを担当している人の醍醐味なんですよね~。

ベースがしっかりしていないと、曲が走ったり、しますものね。

これって、性格と楽器の役割がドンピシャだったってことですよね~。

ほんと、良かったです!

チューバとの出会いは最高だったということなんですね~。

そして、長澤さんは、みんなを引っ張って行ったり、支えたりというできるそのポジションに徐々に目覚めていくという感じだったそうなのです。

こうして、長澤さんは、その後も高校の吹奏楽部でチューバを続けることになっていきました。

地元秋田での高校生活を送っていた長澤さん。

秋田といえば雪国ですよね、冬になると学校の廊下がとっても寒くて、楽器が真っ白になってしまい、楽器持ちたくないって思うほど、楽器が冷たくなってしまったりとかあったそうですよ。



長澤照平さん:高校時代に人生の転機が訪れたって?何があったの?

高校2年生の冬の部活のレッスンの際に、日本フィルハーモニー交響楽団の、チューバ奏者の柳生和大先生いらっしゃって、そのときに、「音大とかを目指さないの?」と言われたことがきっかけで、音大進学の方向に話が進んでいったのだそうです。

柳生 和大(Kazuhiro Yagyu)さんのプロフィールは?

《現在の活動》 日本フィルハーモニー交響楽団テューバ奏者、ズーラシアンブラスメンバー、アンサンブルZEROメンバー。

《略歴》 秋田県出身。2007年秋田大学教育文化学部卒業。2009年東京芸術大学大学院音楽研究科修了。
2007年 第24回日本管打楽器コンクールテューバ部門第二位。
2009年 第21回大曲新人音楽祭グランプリ。
2009年 日本フィルハーモニー交響楽団入団。
2010年 済州国際ブラスコンペティション(韓国)チューバ部門第三位。
2010年 第27回日本管打楽器コンクールテューバ部門第一位及び審査員特別賞受賞。

《洗足学園音楽大学HPより引用》

長澤さんは、もともと音大ではなく、地元の大学に進学しようかなって思っていました。

将来の夢は、数学がすごい好きだったので、数学教師になれたらいいなと思っていたそうです。

そんなタイミングで柳生先生から音大への進学を考えていないの?と言われたなんて、その瞬間はどんな感じだったのでしょうか?

長澤さんは、まさかプロの方にそうやって言っていただけるとは全く思っていなかったそうなので、言葉を失う感じ、いわゆる、どうしようっていう気持ち、驚きの方が強かったと語ってみえました。

そして、その一年後、長澤さんは、東京藝術大学へと進学したのですが、こんなに短い期間での音大の受験、準備は、さぞかし大変であったことでしょう!!!

本当に、すごく大変だったそうです!!!
それは、まず、藝大の受験は、一人でソロの曲であったりとか、エチュードを吹かないといけないのですが、長澤さんは、その段階でそういったものに全く触れたことがなかったのです!

そうなんです!長澤さんは、吹奏楽部でずっと吹いていたので、ベースで、ぷんぷんぷんって、吹いてばっかりだったり、あるいは、音を延ばしてばっかりとかだったのです。

ですので、チューバでメロディ吹くという経験が全くなく、エチュードも、音がこんなに多いのかと思ったりして、それはそれは、すごく大変だったと語ってみえました。



長澤照平さん:受賞歴は?2022年は勝負の年だった!

長澤さんは、2020年 第五回日本ユーフォニアム・テューバ協会 学生ソロコンクール・テューバ・シニア部門にて第1位を受賞しています。

そして、2022年には、第17回チェジュ国際金管打楽器コンクール・テューバ部門にて第1位を受賞されました。同じく、2022年に、第11回秋吉台音楽コンクールチューバ部門でも第1位並びに山口県知事賞を受賞されています。

長澤照平さんにとって2022年は、スゴイ、快進撃でしたね!

チェジュ国際金管打楽器コンクールで1位になった時のことが地元秋田の新聞に掲載されていまいました。

チェジュ国際金管打楽器コンクールのテューバ部門で1位に選ばれた長澤さん。

8月上旬に韓国で行われた第17回チェジュ国際金管打楽器コンクールのテューバ部門で、秋田市出身のテューバ奏者・長澤照平さん(23)=東京芸術大大学院1年=が1位に選ばれた。

国際コンクールでトップに輝くのは初めてで、「うれしさより驚きの気持ちが強い。自信にもつながった」と喜びを語った。

チェジュ国際は、金管楽器奏者から上位のコンクールに位置付けられている。

新型コロナウイルスの影響で例年より参加者は少なかったものの、テューバ部門には約20人がエントリー。1、2次予選を経て、長澤さんを含む3人が本選に進んだ。難易度の高い五つの課題曲を演奏。

本選の曲は約20分と長く、高い音域が多いことから「スタミナも必要だった」という。

ビブラートを細かくしたり、ゆっくりにしたりして曲の悲しみを表現し、6人の審査員から高い評価を受けた。

《秋田新聞掲載記事より引用》

そんなこともあり、とっても注目されるようになってきたのでしょうね。



長澤照平さん:2022年はなぜ勝負の年だったの?もしかして音楽をやめる?

2022年には、長坂さんは、第17回チェジュ国際金管打楽器コンクールと第11回秋吉台音楽コンクールにて見事第一位を獲得されたのですが、実は、これらのコンクールには、ある大きな覚悟を持って挑んだといいます。

それは、どんな覚悟だったのでしょうか?

長澤さんは、現在大学院一年生なのですが、来年度(令和5年度)の大学2年生の時には、あまり大きいコンクールがなかったため、2022年に、もしも、結果が出なかったら、楽器を吹いて生きていくっていくこと自体考え直そうかと、真剣に思っていたというのです。

それは、プロオーケストラや、プロの吹奏楽団にしてもですが、基本的には、楽団に1人しか入れないようなところであるため、将来の不安をずっと抱えていたのそうなのです。

ですので、長澤さんは、2022年を勝負の年と自分で定めたのです。

2022年の5月頃に、初めての外国のコンクールに挑戦したのです。

それは、ドイツの「マルクノイキルヘン国際器楽コンクール」です。

マルクノイキルヘン国際器楽コンクールInternational Instrumental Competition Markneukirchen)は、ドイツのマルクノイキルヘン(de:Markneukirchen)で開催される弦楽器及び管楽器奏者のための音楽コンクールである。
《ウィキペディア引用》

その時は、第1次予選の時に緊張してしまい、調子を一気に崩してしまい1次予選で落選してしまいました。

その後、長澤さんは、調子を崩すことが絶対にないようにしたいなと思ったそうです。

自分が思い描く演奏できないと、まず、挑戦できる土俵に立ってないなと感じたからです。

帰国してからは、ずっと、基礎練習、基礎練習というように、徹底的に直し続けていたそうです。

そして、次の2つのコンクールは、長澤さんにとっては、その時の苦い経験からのリベンジだったわけで、見事、1位を獲得されたのです!!!

ブラボー!!!

本番では、やはりスゴク緊張していたそうですが、ドイツで受けたコンクールの時よりも、明らかに安定感があったようです。

それは、自分の中で、やりたいことが出せるという体作りができていたため、その分、本当にやりたいことができたそうです。

楽器の演奏には身体作りは本当に大事なんですね!

そういった地道な努力が自信につながっていくのですね。

長澤さんは、自分の良さというか、武器として持っているのが、メロディの作り方と、柔らかいサンドというか、そういった部分が前面に出せたかなと自分では思っていますと語ってみえました。

自分の良さに気づき、それを武器にしていくこと、そういったメンタル面の強さも身に着けていったのですね。

ドイツのコンクールを受けたことから、次のステップへ進んでいく様子を知るにつけ、経験は全て自分の財産になっていくんだなと改めて感じました。

こういうお話しをお聴きすると元気がいただけます。

2022年にチャレンジした、2つのコンクールでの素晴らしい成果は、ドイツでのコンクールでの悔しい経験からの結果だったんでしょうね。

本当にブラボーですね!



長澤照平さん:リサイタルパッシオでの演奏はどうだった?

これから、長澤さんが演奏された曲について紹介していきたいと思います。

マーラー作曲、「さすらう若者の歌」から第2曲「朝の野辺を歩けば」

この曲は、バリトン歌手の方が歌う歌曲だそうです。

歌の場合は、歌詞があるので、その物語を聴けば、一瞬でわかる作りになっているのですが、それを、チューバで演奏するとなると、音だけで、いかにそういった物語の部分を表現していくのか、たとえば、発音とか、音の出し方とかでカバーしながら演奏できたらいいなと話してくださいました。

言葉はなくとも、チューバならではの響きを大事に、試行錯誤しながら演奏されているのですね。

ラジオを通しての演奏は、とっても温かい、ほんわかした音色でした。

私は、朝の散歩をしながら、ラジオの聴き逃しサービスを利用して、サングラスタイプのイヤホンを使用して楽しみましたよ。音楽と景色が調和して別世界にいるような不思議な気持ちになりました。

朝に散歩する時に聴いてみて欲しい1曲です!

サンサーンスの白鳥、フォーレのシチリア舞曲を演奏

長澤照平さんは、リサイタルパッシオで、高校時代に出会ったという作品2曲を演奏されました。

長澤さんは、もともと吹奏楽とか、Jポップとか洋楽とか色々聞いたりしてたそうで、クラシックはあまり聴いてなかったとおっしゃってみえました。

ですが、高校1年生の時に、たまたま秋田にオーケストラが来る機会があり、(いつも全然ないんですけど)、それを聴いたた時にすごい衝撃を受けだのだそうです。

その時の影響で、その後、いろいろとクラシックを探しはじめ、出会った曲がこの2曲であったそうです。

この2曲は、クラシック王道の名曲ですが、どちらもチューバではない楽器に書かれています。

白鳥は、チェロ、シチリア曲は、フルートのために書かれた作品ですが、テューバだからこその聴きどころはどんなところにあるのでしょうか?

長澤さんによりますと、テューバは、いわゆるソロ楽器のフルートとか、バイオリンとか、ああいったものが持ってるような華やかさはないのですが、低い音が、豊かな響きが持っていて、その情景をパッと思い浮かべさせるようなサウンドっていうのを感じることができる楽器であると語ってみえました。

例えば、「白鳥」は、チェロだと、白鳥の細かい動きが浮かぶと思うのですが、長澤さんは、チューバーで吹く時、白鳥が水にたたずんでいるその動きではなくて、風景が見えるような感じで、その風景を俯瞰して見ている、そんなイメージで吹いていると話されました。

テューバならではのスケールの広さが、こうした俯瞰した表現につながっていくのでしょうね。

私は、今回、初めてチューバの独奏を聴いたのですが、「白鳥」は、かなりお気に入りになりました。

いいですね~。シチリア舞曲もよかったです!

こうした有名なクラシックの小品をチューバで色々と聴いてみたいと思いました。

疲れている時は、リラックスできていいなと思います。

長澤さんが情熱のモーメントで演奏した曲は?選んだ理由は?

長澤さんは、情熱のモーメントでは、ヒンデミットのソナタを選んだのですが、それは、ドイツのコンクールで演奏予定だったからだそうです。

ドイツのコンクールでは、1次予選でその時は落ちてしまったんですけど、実は、次の2次予選の時に演奏する予定だった曲です。

とても練習したんですけど、演奏することが叶わずできなかったので、ちょっとリベンジしたいなというふうに今回思っています。

この曲の聴きどころは、最後の終楽章のカデンツァ部分がすごく物語性があって、聴いていて、ぱっというふうに印象が常に変わっていくような部分なので、そこは聴いてて面白いんじゃないかなっていうふうに思います。

そのカデンツァは、ピアノの伴奏が、和音をパンというふうにペダル押して弾くんですけど、その間に、結構チューバが、ずっといろいろバーッと吹いていて、ピアノがかなり音が消えた後でもペダルを踏みっぱなしにしているので、響きがピアノの中で増幅されていくというか、

それが、さらにチューバの響きとピアノの響きが掛け合わせて、なんとも神秘的な香りがするような雰囲気になっているとこころだそうです。

「倍音とかで共鳴していくところということですね。数学がお好きな長澤さんならではのポイントかもしれませんね。」と司会の金子さんが話されました。

Haruharu笑顔
Haruharu

今回も、素敵なお話しをたくさん知ることができました。人生は迷いながら決断し、いろいろと経験しながら軌道修正していったり、その繰り返しですね。
才能あふれる若い音楽家の方たちも、自分の進路に悩み、迷い、戸惑い、そんな日々を過ごしながら音楽の可能性を感じつつ精進されているのだと知るにつけ、私たちも元気と勇気がいただける、そう、感じるこの頃です。

こうしたお話しを聞かせていただけるラジオ番組が大好きな私です。
最後までお読みいただき感謝致します。

 

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました